マンションの固定資産税はいくら?計算方法や軽減措置などを解説
目次
耐震基準とは、建物が地震で倒壊しないよう、建築基準法によって定められた最低限満たすべき基準のことです。
耐震基準には「新耐震基準」と「旧耐震基準」の2種類があります。
新耐震基準は、1981年6月1日以降に建築確認された建物に適用される耐震基準です。1978年に発生した宮城県沖地震の甚大な被害を受けて設けられました。
新耐震基準では、震度5程度の中規模の地震が発生しても建物が損傷しない、あるいは軽微のひび割れ程度に留められるほどの強度が求められます。
また、震度6〜7程度の大地震が発生した際に建物が倒壊・崩壊しない強度があります。
2024年9月現在の新築マンションに適用されているのは、この新耐震基準です。
旧耐震基準は、1981年5月31日以前に建築確認された建物に適用される耐震基準です。
旧耐震基準では、震度5程度の中規模の地震で建物が崩壊しない程度の強度が求められていました。
また、新耐震基準とは異なり、震度6〜7程度の大地震は想定されていません。
そのため、旧耐震基準で建てられたマンションは、新耐震基準のマンションよりも耐震性能が劣る可能性があります。
耐震補強工事により耐震性を高めることも可能ですが、旧耐震基準のマンションで耐震性能の診断(耐震診断)や工事が実施されるケースは少ないのが実情です。
耐震等級は「住宅の品質確保の促進等に関する法律」で定められる評価基準です。
専門的な知識がない方でも、地震に対する建物の倒壊や崩壊のしにくさを判断できるように設けられました。
耐震等級は、以下のとおり1〜3までの3段階があります。
耐震等級が高いマンションは、大地震に見舞われた際にも倒壊や崩壊のリスクが低く、より安心して暮らしやすいといえます。
また、耐震等級は「長期優良住宅」の認定基準のひとつにもなっています。長期優良住宅とは、耐久性や耐震性などに優れた質の高い住宅のことです。
長期優良住宅に認定されたマンションを購入する場合、所得税や不動産取得税などの税金が優遇されます。
長期優良住宅に認定されるためには、耐震等級が2以上、または耐震等級1で所定の要件を満たしている必要があります。
マンションの耐震性は、建物の構造によっても異なります。
ここでは「耐震構造」「免震構造」「制震構造」という3つの構造について、仕組みと特徴をみていきましょう。
耐震構造は、柱や梁など建物の構造そのものを強化して地震の揺れに耐えられるように設計された構造です。
もっとも一般的な構造であり、多くのマンションに採用されています。
また、制震構造や免震構造と比較してコストを抑えられるため、耐震構造のマンションは価格が割安です。
ただし、建物を補強して耐震性を高める構造であるため、制震構造や免震構造に比べると、地震が発生した際に建物が揺れやすくなります。
加えて、マンションの階層が上がるほど、揺れの幅は大きくなっていきます。
制震構造は、建物内部に制震装置(ダンパー)を設置し、地震のエネルギーを吸収して揺れを抑える構造です。
地震が発生したときは、建物の骨組みに取り付けられた制震装置が振動エネルギーを吸収するため、揺れが軽減されます。
そのため制震構造のマンションは、耐震構造のマンションよりも耐震性が優れているといわれています。
また、比較的低いコストで導入でき、販売価格の上昇が押さえられる点も、制震構造の主なメリットです。
免震構造は、建物を地面から絶縁することで、地震の揺れが伝わりにくくする構造です。
建物と基礎、または上階と下階のあいだに免震装置(ダンパー・アイソレータなど)を設置することで、地震の力が受け流され、建物の揺れが軽減されます。
免震構造のマンションは、耐震構造や制震構造と比較して建物の揺れがもっとも抑えられます。
また、高層階になるにしたがって揺れの軽減幅が大きくなるため、免震構造はタワーマンションや高層ビルなどの大規模な建物で採用されることが多いです。
ただし、地震が発生した際に建物の位置自体が動くため、免震構造を採用するためにはある程度の場所を確保しなければなりません。
導入コストも高いため、免震構造が採用されるマンションは、販売価格が高い傾向にあります。
新築マンションを購入する際は、立地や間取り、価格などに加え、耐震性能にも注目することが重要です。
ここでは、耐震性能の高いマンションを選ぶためのポイントを2つ紹介します。
地震に強いマンションを選ぶためには、耐震等級や構造の確認が欠かせません。
また、耐震等級が高いマンションを購入すると、地震や津波による損害を補償する「地震保険」の保険料に、より大きな割引率が適用されます。
新築マンションの購入を検討する際は、パンフレットやチラシなどで耐震等級や構造を確認するとよいでしょう。
モデルルームを見学する際に、担当者に耐震等級や構造を聞くのもおすすめです。
なお、耐震等級や構造はマンションの引き渡し時に受け取れる「住宅性能評価書」で確認することができます。
住宅性能評価書とは、第三者機関が住宅の性能を評価した結果をまとめた文書のことです。
購入後にマンションの耐震性能が気になったときや、買い替えを検討中で現在住んでいるマンションの耐震性能を確認したいときは、住宅性能評価書を確認してみましょう。
同じエリアにあるマンションでも、建物の形状によって耐震性能は異なることがあります。
例えば、1階部分が駐車場など柱のみで壁のない空間になっている構造や、L字型やコの字型などの形状であるマンションは、地震の揺れに弱い可能性があります。
また、マンションの高層階は低層階よりも、揺れが大きくなりやすいです。
地盤の良し悪しも、マンションの耐震性に大きく影響します。
地盤が弱いマンションは、地震が発生した際の揺れが大きくなるほか、液状化により建物が傾いたり、水道管・ガス管などが寸断されたりするかもしれません。
モデルルームを見学する際や不動産会社を訪問した際には、マンションの形状や建物がある地盤が、耐震性能を弱めるものでないか確認することをおすすめします。
マンションがあるエリアの地震リスクをインターネットで確認するのも有効です。
防災科学技術研究所の「J-SHIS Map」では、住所を入力すると、購入予定のマンションがあるエリアの地震リスクを簡単に確認することができます。
新築マンションは、新耐震基準が適用されており、震度6〜7程度の地震が起きても倒壊しないように建てられています。
新築マンションの耐震性能を把握するためには、耐震等級を確認しましょう。耐震等級が高いほど、大地震が発生した際に建物が損傷しにくくなります。
また、マンションの構造が耐震構造、制震構造、免震構造のうち、どれに該当するかを確認することも大切です。
マンションを選ぶ際は、不動産会社ともよく相談し、耐震性能の高さにも注目してみることをおすすめします。