新築マンション購入時の手付金とは?相場や払えないときの対処方法も解説

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マンションを購入するときは「住宅ローンの借入額は年収の5〜7倍が目安」といわれることが多いです。
一方、2026年4月現在は近年の建築資材や人件費の高騰などにより、エリアによってはマンション価格が年収の10倍を超える水準にまで上がっています。
ここでは、年収倍率の基本的な考え方と最新データを確認していきます。
マンション購入価格の目安として広く知られているのは「額面年収の5〜7倍」です。
たとえば、年収500万円なら2,500万〜3,500万円、年収700万円の場合は3,500万〜4,900万円、年収1,000万円であれば5,000万〜7,000万円がひとつの目安になります。
しかし実際は、住宅ローンの借入額と自己資金をあわせた物件価格を年収の5〜7倍に収める方も少なくありません。
住宅金融支援機構が公表する「フラット35利用者調査」によると、2024年4月から2025年3月までに住宅ローンを借り入れた人の年収倍率(住宅購入の所要資金÷世帯年収)は以下のとおりです。
同調査によると、マンションを購入する方は2割前後の頭金を準備している ため、実際は年収の4〜6倍弱の借入額でマンションを購入している方が多いと考えられます。
近年の新築マンション市場では、年収の5〜7倍という従来の目安では収まらない価格で取り引きされる物件が増えています。
不動産調査会社の東京カンテイが公表した2024年のデータによると、新築マンションの年収倍率は全国平均で10.38倍でした。
マンション価格の上昇ペースが年収の伸びを上回っているため、年収の5〜7倍を超える価格では取り引きされる事例も珍しくありません。
国土交通省の「令和6年度住宅市場動向調査」によると、分譲集合住宅(新築マンション)を取得した世帯の平均世帯年収は891万円です。
同調査によると、注文住宅を取得した方の平均世帯年収は907万円、分譲戸建て住宅は851万円、中古マンションは717万円でした。
新築マンションを取得した世帯の年収帯別の割合は以下の通りです。
調査結果をみると、新築マンションを購入した世帯の平均年収は900万円弱であるものの、実際には800万円未満の世帯も約42.9%を占めていることがわかります。
また、初めてマンションを購入する方の世帯年収は821万円という結果でした。全体に比べると世帯年収はやや低い結果となっています。

年収倍率はあくまで購入価格の目安であり、実際にいくらまでなら無理なく返済を続けられるかは「返済負担率」で判断するのがよいでしょう。
返済負担率とは、年間のローン返済総額が年収に占める割合のことです。金融機関の住宅ローン審査においても、申し込んだ人の返済能力を判断するための主要な指標として使われています。
予算を決めるときに意識したいのは、金融機関が貸してくれる金額ではなく、家計にとって無理なく返し続けられる金額です。
ここでは、借入可能額と返済可能額の違いと、返済負担率をもとに無理のない借入額を検討する方法を解説します。
借入可能額は、金融機関が審査をしたうえで決定する住宅ローンの融資額の上限です。申込者の年収や勤務先、勤続年数、他の借り入れ状況などを総合的に判断して決定されます。
一方の返済可能額は、現在の生活費や年収に加えて、将来的な収支の変動、ライフイベントによって必要になった支出なども含めて無理なく返済できる金額を指します。
金融機関は住宅ローンを申し込んだ人の返済能力を慎重に審査するため、返済不能になる可能性のある金額を融資することはありません。
とはいえ、申し込んだ人の実際の生活やマイホーム購入後の家計状況までは把握できないため、審査に通った金額が現実的に返済できる借入額とも限らないのです。
借入可能額をそのまま購入予算にしてしまうと、金利の上昇や子育て費用の増加、病気や失業による収入減少などで家計に余裕がなくなるリスクを高めてしまいかねません。
借入額を決めるときは、家計の収支や今後のライフプランなどを踏まえて「いくらなら無理なく返済できるか」を考えることが大切です。
無理のない予算を考える際は、返済負担率を手取り年収の20〜25%以内に収めるのが1つの目安です。
手取り年収は、額面年収から所得税、住民税、社会保険料、勤務先からの各種控除を差し引いたあとの金額です。
額面年収が同じでも、扶養家族の人数や勤務先の社会保険などで手取り年収は変わります。
そのため、返済負担率を額面年収の15〜20%とすると、より簡易的に無理のない借入額を把握することができます。
たとえば、額面年収500万円の場合、年間返済額の目安は75万〜100万円、月額に換算すると約6.3万〜8.3万円です。
住宅ローンの返済額がこの範囲に収まるような借入額を1つの目安として予算を決めるとよいでしょう。
国土交通省の「令和6年度住宅市場動向調査」によると、住宅ローンを利用した方の年間返済額と返済負担率の平均は以下のとおりです。
| 年間返済額(万円) | ||
| 注文住宅 | 144.8 | 18.4 |
| 分譲戸建住宅 | 132.1 | 17.6 |
| 分譲集合住宅 | 126.5 | 16.1 |
| 既存(中古)戸建住宅 | 109.3 | 16.3 |
| 既存(中古)集合住宅 | 114 | 17.8 |
| リフォーム住宅 | 73.7 | 12.7 |
※出典:国土交通省「令和6年度住宅市場動向調査」
いずれの住宅種類でも返済負担率は20%未満に収まっています。
分譲集合住宅(新築マンション)の返済負担率は16.1%と全体の中でも低めの水準であり、多くの方が無理のない範囲で借入額を設定していることがうかがえます。

ここでは、額面年収の15〜20%を年間返済額の目安として、年収別に借入額の目安を試算します。
試算条件は、返済期間35年、元利均等返済、ボーナス返済なし、金利は年1.0%とした場合、算出結果は以下のとおりです。
| 額面年収 | 年間返済額の目安 | 月々の返済額 | 借入額の目安 |
| 300万円 | 45万〜60万円 | 約3.8万〜5.0万円 | 約1,340万〜1,770万円 |
| 500万円 | 75万〜100万円 | 約6.3万〜8.3万円 | 約2,231万〜2,940万円 |
| 700万円 | 105万〜140万円 | 約8.8万〜11.7万円 | 約3,110万〜4,140万円 |
| 1,000万円 | 150万〜200万円 | 約12.5万〜16.7万円 | 約4,420万〜5,910万円 |
※借入額の目安は試算結果の10万円未満切り捨て
上記のとおり、返済負担率が同じであっても、借入額の目安は年収によって大きく異なることが見て取れます。
また、年収や返済負担率が同じ設定でも、借入額の試算結果は金利によって異なります。
実際に住宅ローンを検討する際は、金融機関ごとの適用金利(返済額を求める際に用いる金利)を確認しましょう。
借入額を試算する際は、インターネットで金融機関や住宅金融支援機構などが公開しているシミュレーションツールを活用する方法があります。
より正確に知りたい場合は不動産会社の担当者やファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談することをおすすめします。

マンション購入の失敗を防ぐためには、以下の点も踏まえて資金計画を立てることが重要です。
マンション購入では、物件価格に加えて諸費用と頭金を含めた総額で資金計画を立てる必要があります。
諸費用は、不動産の売買契約書に課税される「印紙税」や金融機関に支払う「事務手数料」、マンションの名義変更時に支払う「登録免許税」などがあります。
諸費用の目安は物件価格の5〜10%程度です。4,000万円の物件であれば200万〜400万円程度の諸費用がかかる計算です。
頭金を入れて借入額を抑えると、毎月の返済額が下がり、利息負担も軽くなります。
一方、手持ち資金のほとんどを頭金に充てると引越し費用や家具・家電の購入費用などに充てる資金が不足するかもしれません。
そのため、マンション購入後の生活も見越して無理のない金額に設定することが大切です。
また、病気や失業など万が一の事態に備えた生活防衛資金も確保しておきましょう。
マンションを購入したあとは、管理費と修繕積立金を毎月支払うのが一般的です。
また、固定資産税も毎年支払う必要があり、マンションを取得するエリアによっては都市計画税もかかります。
国土交通省の令和5年度マンション総合調査によると、1戸あたりの月額平均は管理費が11,503円 、修繕積立金が13,054円 です。合計すると毎月約24,500円の負担となります。
これらの他に、駐輪場代、駐車場代、専用庭の使用料などがかかるケースもあります。
マンション購入の予算を設定するときは、このようなランニングコストを含めて無理のない返済計画を立てることが重要です。
マンション購入時の予算は、現在の年収のみで決めるのではなく、出産、子育て、子どもの進学、車の買い替え、老後生活など、今後のライフイベントまで見据えて設定しましょう。
ライフイベントを考慮せずに予算を組むと、教育費がかさむ時期や収入が減った時期などにローンの返済負担が重荷になり、貯蓄の取り崩しや家計の見直しを迫られる可能性があります。
とくに共働き世帯では、産休・育休、時短勤務、転職などで一時的に世帯収入が下がることがあります。
マイホーム購入後も収入や支出が変化する可能性は十分にあるため、今後起こりうるライフイベントを踏まえた資金計画を立てることが大切です。
マンションの購入予算は一般的に年収の5〜7倍が適切とされていますが、これはあくまで目安に過ぎません。
無理のない予算を考えるためには、返済負担率を手取り年収の20〜25%以内、または額面年収の15〜20%以内に収めることが一つの基準になります。
また、住宅ローンの返済額だけでなく、頭金、諸費用、ランニングコスト(管理費、修繕積立金、固定資産税など)も考慮するとともに、ライフプランの変化にも対応できる資金計画を立てることが重要です。
判断に迷う場合は、不動産会社やファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談するとよいでしょう。