マンション購入価格を年収からシミュレーション!無理なく返済できる金額とは?
目次
以下は、マンションを購入した世帯主の年齢や世帯年収、居住人数をまとめたものです。
新築分譲マンション | 中古マンション | |
世帯主の年齢 | 39.9歳 | 43.7歳 |
世帯年収 | 923万円 | 609万円 |
居住人数 | 2.7人 | 2.5人 |
※出典:国土交通省「令和4年度 住宅市場動向調査報告書」
※世帯主の年齢と世帯年収は、初めて住宅を取得(一次取得)した世帯の平均値
統計データでは、新築分譲マンションを購入した世帯のほうが、中古マンションの購入世帯よりも世帯主の年齢は低くなっています。
一方で世帯年収の平均は、新築分譲マンションを購入した世帯のほうが中古マンションを購入した世帯よりも、約314万円高いです。
なお居住人数は、新築 分譲マンションと中古マンションで、 大きな差はありません。
では、マンションを購入した人はいくらの貯蓄をしていたのでしょうか。
国土交通省の調査によると、マンションを購入するために準備した自己資金は、以下のとおりです。
※出典:国土交通省「令和4年度 住宅市場動向調査報告書」
※初めて住宅を取得(一次取得)した世帯の平均値
※カッコ内の数字は購入資金全体に占める自己資金の割合(自己資金比率)
調査結果を見ると、マンションを購入する世帯は1,300万円以上の自己資金を準備していることが分かります。
一方で、自己資金比率を見ると新築分譲マンションが3割弱であるのに対し、中古マ ンションが4割を超える結果となりました。
中古マ ンションを購入する世帯は、新築マンションを購入する世帯よりも、購入資金全体に占める自己資金の割合が高い傾向にあるようです。
結婚や出産、子どもの進学などのライフイベントをきっかけに、マンションを購入する人も多いでしょう。
ここからはマンション購入のきっかけとなるライフイベントについて解説します。
結婚をきっかけにマンションの購入を検討することで、これからのライフプランをパートナーと相談しながら物件を探せるでしょう。
また夫婦共働きであれば、ペアローンを組めます。
ペアローンが組めると、夫と妻のどちらか1人が住宅ローンを借りるよりも、借入額を増やせる可能性があります。
一方で結婚をしたタイミングでマンションを選ぶ際は、子どもの誕生や定年退職などのタイミングで住み替える可能性を考慮することが大切です。
子どもの誕生も、マンションの購入を決断するタイミングのひとつです。
出産をきっかけにマンションの購入を検討すると、子育てする環境を意識した物件選びができます。
将来的に通うことになる学校や、公園・病院などの公共施設の場所、治安などを確認し、子育てがしやすいマンションを選ぶと良いでしょう。
子どもを特定の小学校や中学校などに通わせたい場合は、通学の負担を軽減するために進学するタイミングでマンションを購入するのも選択肢のひとつです。
特に有名な学校の付近は、治安が良い傾向にあり、資産価値が落ちにくいといわれています。
子どもが独立して居住人数が減ると、自宅が広く感じられることがあります。
高齢になって身体機能が低下していくと、段差や階段で転倒してケガをしたり、自宅を管理するのに苦労したりするかもしれません。
夫婦2人が老後生活を送りやすいようなマンションを、子どもが独立したタイミングで購入するケースは珍しくないのです。
昇給や昇格をすると一般的に年収が増えるため、住宅ローンの借入額を増やせる可能性があります。
また社会的な地位が上がることで、金融機関の審査に通りやすくなる可能性もあります。
そのため昇給や昇格をきっかけに、マンションの購入を検討する人もいます。
転職や転勤も、マンション購入のタイミングのひとつです。
たとえば全国転勤の会社から、転勤のない会社に転職をした際に、マンション購入を決意する人もいるでしょう。
また転勤によって社宅からの退去が必要になった場合や、会社から支給される家賃補助が減額されたタイミングでマンションを購入する人もいます。
他にも、以下のような出来事をきっかけにマンションを購入した人もいます。
2024年はマンション購入に適したタイミングなのでしょうか?
マンションの価格や住宅ローン金利などをもとに、検証していきます。
国土交通省の調査によると、2010年の平均価格を100とした場合、2023年8月における不動産価格指数はそれぞれ以下のとおりです。
※国土交通省「不動産価格指数」
戸建住宅や住宅地の価格と比較して、マンションの価格が特に上昇しています。
また不動産経済研究所の調査によると、首都圏における2023年10月の新築分譲マンションの平均価格は6,567万円となっています。
最新の調査では、戸あたりの価格が8か月ぶりに下がったものの、2023年9月までは7か月連続で上昇していました。
※出典:不動産経済研究所「首都圏新築分譲マンション市場動向2023年10月度」「首都圏 新築分譲マンション市場動向 2023年9月」
今後も新築分譲マンション価格が上 昇する可能性はあるため、ピークを迎える前に購入するという考え方もあるでしょう。
続いて、2023年12月現在の住宅ローン金利をみていきましょう。
返済の途中で金利が上下する「変動金利」は、おおむね0.3%台であり、なかには0.2%台で提供する金融機関もあります。
一方、完済まで金利が変わらない「全期間固定金利」はおおむね2%弱です。
インフレを抑えるための利上げが続く米国と、金融緩和政策を続ける日本との金利差が開き、長期金利が上昇したことで、昨年と比較して固定金利がやや上昇しています。
とはいえ、住宅ローン金利が歴史的な低水準であることに変わりはありません。
そのため、住宅ローンの金利の観点から考えた場合、2024年現在はマンション購入に適した時期といえるでしょう。
住宅ローン控除とは、住宅ローンを組んでマイホームを購入した人の所得税や住民税の負担を軽減してくれる制度です。
マイホームに入居するタイミングが2022年1月〜2025年12月末までである場合、住宅ローン控除の控除額は、年末時点における住宅ローンの借入残高の0.7%です。
以前の控除率は1.0%でしたが、税制改正により0.7%に引き下げられています。
制度が改正されたのは、住宅ローンの利息よりも住宅ローン控除の減税額のほうが高くなる「逆ざや」が問題視されたためです。
しかし、控除率は0.7%に引き下げられたものの、変動金利についてはそれ以上に低い状態が続いています。
住宅ローン控除を受けるためには、取得したマイホームに遅くとも2025年12月末までに入居しなければなりません。
住宅ローン控除が2026年以降に継続されるかどうかは未定であるため、減税を受けたいのであれば、2025年末までに入居できるよう、マンションを購入するのがよいでしょう。
マンションは、購入するタイミングにかかわらず以下の3点に注意することが大切です。
マンションの購入予算は、頭金の額と住宅ローン借入額を合計した金額となります。
国土交通省の調査によると、新築分譲マンションを購入した人の自己資金(頭金)と住宅ローン借入額は以下のとおりです。
※出典:国土交通省「令和2年度 住宅市場動向調査報告書」
※世帯主の年齢と世帯年収は、初めて住宅を取得(一次取得)した世帯の平均値
新築分譲マンションを購入した人は、約26%の頭金を準備し残りを住宅ローンの借り入れで賄っています。
ただし上記の調査結果は、あくまで平均値です。
購入するマンションを選ぶ前に、現在の生活や今後のライフプランをもとに頭金として支払える額や住宅ローンの借入額を決めましょう。
では、住宅ローンを借り入れてマンションの購入資金をまかなった場合、年間の返済額はいくらになり、返済期間はどの程度になるのでしょうか。
国土交通省の調査によると、新築分譲マンションを購入した世帯の住宅ローンの年間返済額と返済期間は以下のとおりです。
※出典:国土交通省「令和4年度 住宅市場動向調査報告書」
※カッコ内の数字は年収に占める年間返済額の割合(返済負担率)
調査結果によると住宅ローン年間返済額は148.1万円であり、月額に換算すると約12.3万円となります。
また、年収に占める年間返済額の割合(返済負担率)は、17.4%でした。
一般的に、返済負担率は25%以内が望ましいといわれていますが、昨今の低金利の影響により、実際はその基準を大幅に下回っています。
住宅ローンの返済期間は、平均で30年弱です。
例えば、35歳でマンションを購入する場合、住宅ローンを完済するのは65歳ごろとなり、セカンドライフが始まる直前まで返済が続くことになります。
マンションを購入する際は、物件の購入費用だけでなく印紙税や登記費用(登録免許税・司法書士に支払う報酬)などを支払う必要があります。
また住宅ローンを借り入れる場合は、事務手数料や保証料なども支払わなければなりません。
マンション購入時に支払う手数料は、状況によって異なりますが、物件代金の3%前後が一般的です。
マンション購入の資金計画を立てるときは、購入時に支払う諸費用も考慮して資金計画を立てましょう。
新築分譲マンションと中古マンションでは、メリットやデメリットが異なるため、よく比較したうえで選ぶことが大切です。
◯新築分譲マンション
メリット | ・最新の設備や建具が備え付けられている
・住宅ローンの融資条件が優遇されたり、火災保険の保険料が割安になったりする場合がある |
デメリット | ・中古マンションよりも高価
・建築途中である場合、売買契約を結ぶ前に内装を確認できない可能性がある |
◯中古マンション
メリット | ・新築分譲マンションよりも安価
・リフォームやリノベーションによって好みの間取りにできる |
デメリット | ・管理費や修繕費が高い傾向にある
・築年数が25年を超えていると住宅ローン控除の対象外になる可能性 |
以上の点を踏まえて、新築マンションと中古マンションのどちらがご自身のライフスタイルに合っているのか考えると良いでしょう。
マンションの購入と賃貸には、それぞれに異なったメリットがあるため、一概にどちらが良いとはいえません。
例えば購入の場合、住宅ローンの返済が終わればマンションという資産を手にできます。
また、管理規約が定める範囲内でリフォームやリノベーションをして、室内の間取りや設備を変更・刷新できます。
転勤や転職、親族の介護などを理由に、一時的にマンションを離れることになったときは、賃貸に出すことも可能です。
一方で賃貸マンションには、住み替えしやすいというメリットがあります。
「近隣住民とトラブルになった」「子どもが成長して部屋数が足りなくなった」といったとき、賃貸マンションであれば容易に引っ越しができます。
購入と賃貸のどちらがよいかは、価値観やライフスタイルなどさまざまな要素で異なるため、自分自身や家族にとってどちらが良いのかをよく検討することが大切です。
マンションを購入するタイミングは、人によって異なります。
ライフスタイルの変化をきっかけにマンションを購入する人もいれば、マンション価格や住宅ローン金利などをもとに購入のタイミングを判断する人もいます。
マンションを購入するタイミングについてお悩みの場合は、信頼できる不動産会社の担当者に相談してみてはいかがでしょうか。