マンションの共用部分とは?専有部分との違いや私物を置いてはいけない理由を解説
目次
住宅ローンを組んでマンションを購入するときは、金利や返済方法について十分に理解しておくことが大切です。
まずは、金利や返済方法の種類をみていきましょう。
金利とは、お金を借りた人が貸した人に対して支払う利息の割合のことです。
金利の値や種類によって、毎月の返済額や返済総額が決まります。
住宅ローンの金利タイプは、主に以下の3種類です。
固定期間選択型は、金利の固定期間が終わると自動的に変動金利へ移行しますが、残りの返済期間を超えない範囲で、再び一定期間の金利を固定させることも可能です。
借入当初の金利は、変動金利がもっとも低く、全期間固定金利がもっとも高く設定されています。
一方で変動金利と固定期間選択型は、借り入れたときに毎月の返済額や返済総額が確定しない点に注意が必要です。
金利タイプによってメリットやデメリットは異なるため、不動産会社や金融機関とも相談して、ご自身に合った金利タイプを選ぶことが大切です。
住宅ローンの返済方法には「元利均等方式」と「元金均等方式」の2種類があります。
それぞれの特徴は、以下のとおりです。
元利均等方式は、毎月の返済金額が一定であるため、元金均等方式よりも家計の管理がしやすいといえます。
一方の元金均等方式は、返済開始当初の返済負担は重いですが、元利均等方式よりも早く借入残高を減らすことが可能です。
住宅ローンを組むときは、家計の収支や今後のライフプランなどをもとに、返済方法を慎重に選びましょう。
住宅ローンを融資してもらうためには、金融機関の審査に通過しなければなりません。
審査では、年収や勤続年数、職業、他の借入状況などが細かくチェックされます。
住宅ローン審査は「事前審査」と「本審査」があります。
事前審査とは、住宅ローンの本審査に通過できるかを事前に確認するための審査です。
住宅ローンは、基本的に物件の売買契約や建築工事の請負契約をするときに申し込みます。
契約を申し込んだ後に住宅ローンの審査に落ちてしまわないよう、契約を結ぶ前に事前審査をするのが一般的です。
インターネット銀行では、基本的に住宅ローンを借り入れる方の自己申告にもとづいて事前審査が行われます。
申告した年収や勤続年数、他の借入状況が事実と異なっていると、事前審査に通過できても本審査に通過できない恐れがあるのです。
一方で都市銀行や地方銀行の事前審査では、源泉徴収票やマンションの売買契約書、住民票などの書類をもとに入念に確認されます。
事前審査の結果は、おおむね数日〜1週間弱で分かります。
住宅ローンの本審査では、住民票や源泉徴収票、売買契約書などの書類をもとに、年収や勤続年数、健康状態、物件の担保価値などが入念に確認されます。
多くの金融機関は、 団体信用生命保険への加入を住宅ローンの融資条件としています。
団体信用生命保険とは、住宅ローンを借り入れた人が万一の場合に、保険金によって住宅ローンが完済される保険です。
健康状態が悪く、団体信用生命保険に加入できない場合は、住宅ローンを借り入れできない恐れがあります。
また本審査で物件の担保価値が確認されるのは、住宅ローンを借り入れた人が返済できなくなったときに、物件を競売にかけて融資金を確実に回収するためです。
なお本審査の結果が1週間程度でわかる金融機関もあれば、1ヶ月以上かかる金融機関もあります。
住宅ローンの審査で落ちてしまう一般的なケースは、以下のとおりです。
収入が安定していない人は、住宅ローンの返済を滞納されるリスクが高いと判断されて、審査に通過しにくくなります。
また自動車ローンや教育ローンなどを借り入れており、追加で住宅ローンを借り入れると返済負担率が金融機関の規定を超える場合、基本的に審査に通過できません。
加えてクレジットカードの支払いや携帯電話で分割払いを長期間にわたって滞納しており、信用情報に問題があると、住宅ローン審査に通過するのは困難です。
住宅ローンの審査基準は金融機関によって異なるため「A銀行の審査には通ったがB銀行では落ちた」というケースも起こりえます。
しかし、金融機関は住宅ローンの審査基準を公表しているわけではないため、一概に「審査に通りやすい金融機関」を判断することは困難です。
そこで、住宅ローンを申し込むときは、不動産会社の担当者に相談するのもひとつの方法です。
不動産の販売実績が豊富な担当者に相談すると、各金融機関の動向などをアドバイスしてもらえることもあります。
また不動産会社によっては、提携する金融機関を紹介してもらうことも可能です。
提携金融機関が取り扱う住宅ローンでは、基本的に物件の審査が済んでおり、不動産会社が申し込みの手続きをサポートしてくれます。
そのため通常の住宅ローンと比較して、審査期間が短く手続きがスムーズに進みやすい可能性があります。
住宅ローンの借入額が適切かどうか判断する基準のひとつに「返済負担率」があります。
返済負担率とは、年収に占める年間返済額の割合です。
一般的には返済負担率が25%以内となる借入が望ましいといわれています。
また、返済負担率が30%や35%など金融機関が定める基準を超える場合、住宅ローンの借入ができなかったり、借入額を減らされたりする可能性があります。
ここで、金利1.7%、返済期間35年、返済方法が元利均等方式(毎月の返済額が一定である返済方法)の住宅ローンを借り入れる場合の返済負担率をみていきましょう。
借入額が3,000万円である場合、年収ごとの返済負担率は以下のとおりです。
〇借入額3,000万円の返済負担率
年間返済額 | 返済負担率 | |
年収300万円 | 約113.7万円 | 37.9% |
年収400万円 | 28.4% | |
年収500万円 | 22.7% | |
年収600万円 | 19.0% | |
年収700万円 | 16.2% | |
年収800万円 | 14.2% |
借入額が3,000万円である場合、金利1.7%、返済期間35年、元利均等方式で借り入れをすると、年間返済額は113.7万円です。
年収400万円では返済負担率が25%を超えるため、3,000万円を借り入れるとマンション購入後の生活が苦しくなるかもしれません。
また年収300万円である場合、返済負担率は37.9%に達するため、3,000万円を借り入れるのは困難と考えられます。
住宅ローンを借り入れる際は、返済負担率が25%を超えていないか返済シミュレーションで確認しましょう。
ただし、返済負担率の試算結果が25%以内であっても、必ずしも安全とは限らないため、家計の収支や今後のライフプランなども踏まえて借入額を決めることが大切です。
住宅ローンを組んでマンションを購入するときは、以下の3点に注意しましょう。
住宅ローンの返済期間は、20年や30年などを長期間にわたるのが一般的です。
子どもの進学や自身の転職、配偶者の離職などさまざまなライフイベントが生じて、住宅ローンの返済に影響を与える可能性があります。
家計の変化によっては、返済負担率が25%以内であっても確実に返済できるとは限りません。
住宅ローンを借り入れる際は、今後のライフプランを考えたうえで、無理のない返済計画を立てることが大切です。
貯蓄の全額を頭金に充ててしまうと、病気で働けなくなったときや退職をして一時的に収入が下がってしまったときなどに、対処できなくなる恐れがあります。
マンションを購入する際に頭金を支払う場合、緊急時に備えて予備資金を口座に残しておきましょう。
マンションを購入したあとは、住宅ローンの返済と合わせて管理費や修繕積立金を支払っていかなければなりません。
またマンションでは、駐車場代や駐輪場代などの支払いが必要となる場合もあります。
加えて年に1度、固定資産税をはじめとした税金も負担する必要があります。
マンションを購入するときは、住宅ローンの返済だけでなくランニングコストも支払っていけるシミュレーションをすることが大切です。
多くの金融機関は、住宅ローンの借入条件として「申し込みが可能な年齢」と「完済時の年齢」に制限を設けています。
金融機関によって制限は異なりますが、申込可能年齢は20歳以上70歳以下、完済時年齢は80歳未満とされているのが一般的です。
完済時の年齢が、金融機関の定める年齢を超えるような返済期間には設定できません。
例えば、申し込み時の年齢が50歳、金融機関が定める完済時の年齢制限が80歳であったとしましょう。
その金融機関が取り扱う住宅ローンの返済期間が最長35年であったとしても、実際に設定できる返済期間は最長30年となります。
頭金とは、マンションを購入する金額のうち、貯蓄や親族からの資金提供などで準備する部分です。
マンションの購入予算は、頭金として準備できる額と、住宅ローン借入額の合計額となります。
住宅ローンの金利が高かった時代は「マイホームを購入するときは、住宅購入資金の2割の頭金が必要」といわれていました。
しかし2023年8月現在、住宅ローンの金利は低い値 で推移していることもあり、頭金は必須ではなくなっています。
頭金を多く入れることには、メリットもあればデメリットもあるため、それぞれを把握した上で頭金の額を決めることが大切です。
マンションを購入するときに、多くの頭金を準備するメリットは以下のとおりです。
その結果、返済負担が家計を圧迫して生活が苦しくなるリスクを抑えられるのです。
また頭金を多く準備していると、金融機関から「この人は計画的にお金を扱える人だ」と評価されて住宅ローンの融資審査に通過しやすくなる可能性があります。
金融機関によっては、頭金を多く準備すると住宅ローンの金利を引き下げてくれるケースもあります。
金利とは、簡単にいえば返済額に占める利息の割合です。
頭金を多く準備して住宅ローンの金利が引き下げられると、返済負担をさらに少なくできるでしょう。
マンション購入時に頭金を多くするデメリットは、以下のとおりです。
頭金を多く支払うと預貯金口座の残高が極端に減ってしまい「病気で働けなくなった」「退職して世帯収入が下がった」などの事態に対処できなくなる恐れがあるのです。
また頭金を貯めているあいだに、欲しかった物件が他の人に買われてしまうかもしれません。
さらに頭金を貯めるのに時間がかかると、住宅ローンの借り入れが遅れてしまい、ローンの返済が老後にまで及んでしまうこともあります。
自営業やフリーランスでも、年間の売上から必要経費を差し引いた所得が、金融機関の定める条件に該当しており、他の審査基準も問題ないのであれば、借り入れが可能です。
一方で、自営業やフリーランスは、会社員と比較して住宅ローンの審査に通りにくいといわれています。
取引先との関係悪化や景気の後退など理由で事業の継続が難しくなったとき、収入が大幅に低下してしまうことで、返済が苦しくなる可能性があるためです。
そのため、自営業やフリーランスは、数年にわたって黒字状態が続いており、事業が安定しているタイミングで住宅ローンを申し込むのが望ましいでしょう。
住宅ローン控除とは、住宅ローンを組んでマイホームを購入した人が申請できる税の優遇制度です。
所定の要件を満たすと「年末時点のローン残高×控除率」が所得税と一部の住民税から控除されます。
取得したマイホームに入居するタイミングが、2022年1月〜2025年12月末までである場合、控除率は0.7%となります。
住宅ローン控除を適用するためには、所定の要件を満たさなければなりません。
住宅ローンを組んでマンションを購入するときは、住宅ローン控除の対象になるかどうかを、不動産会社や金融機関、最寄りの税務署などに確認すると良いでしょう。
関連記事:新築マンション購入時に受けられる住宅ローン控除とは?要件や申請方法も解説
マンションを購入するときは、印紙税や登記費用などの諸費用が発生します。
マンション購入時の諸費用は基本的に現金で支払いますが、金融機関によっては住宅ローンの借入額に諸費用を含められる場合もあります。
諸費用を含めて住宅ローンを借り入れた場合、 借入額が購入するマンションの価値(評価額)を上回る「オーバーローン」の状態となります。
オーバーローンには、以下のようなデメリットがあります。
オーバーローンを利用する際は、以上のリスクがあることを理解したうえで、慎重に検討しましょう。
マンション購入の際に、住宅ローンを利用する場合は、住宅ローンの仕組みや基礎知識を理解しておくことが大切です。
また、現在の生活や今後のライフプランをもとに、支払う頭金の額や借り入れる住宅ローンの額を決めましょう。
適切な借入額や、準備すべき頭金の額がわからない方は、信頼できる不動産会社の担当者に相談するのがおすすめです。